新卒でマンション買っちゃった 〜14. 住宅ローン審査 (後編)〜

こんにちは、黒箱です。

さらっと前回から続いていきます。

 

 

 

 

 


ローンシミュレーション

 

ローン審査の雲行きが怪しいことに気づいた私たちは、詳細なローンシミュレーションを組みはじめました。

住宅ローンの仕組みを勉強し、毎月の支払額を詳細に計算し、住宅ローン控除や手数料を含めて総額でいくら払うことになるのかを求めました。

繰り上げ返済計画も「積極的、普通、遅い」の3パターン用意し、更に途中で借り換えを行うパターンも用意し、かなり手間をかけて計算を行いました。

ややこしいことに物件引き渡しが年を跨ぐかどうかのギリギリの予定で、翌年の住宅ローン控除が適用されるかどうかの場合分けもしました。

翌年の税制案の発表は毎年12月10日あたりとかなり遅いため、各所の予想に敏感に情報収集を行なっていました。

 

さて、シミュレーションの中身の説明は省きますが、シミュレーションの結果、3パターンの結論を得ました。

  1. 三井住友銀行で0.655%で借りて、与信力のついた2年後もっと低金利のところに借り換える
  2. 金利を勝ち取る
  3. 金利は高くても良いので手数料が低いローンを借りて、2年後もっと低金利のところに借り換える

3について、少しトリッキーですが、一般的な住宅ローンは2.2%の手数料がかかるため、7000万の借入で約150万円もの金額になります。

2年で借り換えると割り切った時、2年間は高めの金利を払ったとしても、初っ端の手数料を考えると逆にお得になる場合があります。

これは借り換えだけじゃなく、短期で売り抜ける場合も同じ考えができますね。

 

さて、1は年内の税制が適用可能でしたが、2と3は審査が間に合うか微妙、という状況でした。

年を跨いで税制が変わると、もし新居が省エネ認定住宅の場合は+30万、非認定住宅の場合は+120万も支払い総額が増えてしまいます。

なんとしても年内決済を狙いたいところです。

1番良いパターンがは2で年内の税制適用されることで、支払い総額は物件価格+60万、1番悪いパターンは3で翌年の税制かつ非認定住宅で+240万円でした。

結構な額が変わってきますね。

以上のシミュレーションのをもとに、住宅ローン審査後半戦に挑みました。

 

 

三井住友信託銀行のフラット35

 

まずはダメだった方から。

審査が通りやすいメガバンクは軒並みダメだったので、安牌を置きにフラット35の検討を始めました。

フラット35で手数料無料型を扱っているのはどうやら三井住友信託銀行だけということで、この1行に的を絞りました。

審査当時の金利は忘れたのですが、執筆時で手数料ありコースが1.51%に対し、手数料なしコースが1.62%とちょっと割高ですが、2年で借り換えをすることを考えると手数料無料の方がお得です。

また、新居はフラット35Sが適用可能でしたので、当初5年は1.26%まで引き下げてくれるそうです。

それでも高いですけどね笑

 

さて、銀行の窓口に向かいます。

余談ですが、最初対応してくださった行員は新卒の方だそうで、新卒トークで盛り上がったのですが、私たちの特殊な事情ゆえ途中から支店長が出てきました。

結果としては、審査すらしてくれませんでした。

どうやらフラット35の審査とは別に、各銀行の足切りラインがあるそうです。

三井住友信託銀行は勤続年数を見るタイプだそうで、私たちのローンは審査の舞台に登ることすらできませんでした。

無念。

 

 

SBI

auじぶん銀行と並んでネット銀行でよくおすすめされるのが住信SBIネット銀行

細かい比較は覚えていませんが、0.44%という低金利に加え、充実の団信が売りだったかなと思います。

当然私たちもそのおすすめされ具合は把握していたのですが、どうせネット銀行、審査が厳しいんだろうなぁと初めは思っていました。

 

そんな中、どうやらSBIには店舗も存在して対面での受付ができるらしい、ということに気づきます。

それに、どういうわけか対面で申し込んだローンの金利は0.39%ど、ネット専用住宅ローンよりもかなり安いではありませんか。

なんでなんですか???

対面で私たちの状況を説明することができれば、少なくともネットオンリーで否決されたソニー銀行auじぶん銀行よりは望みがあるのではないか、そう思い大手町ローンプラザの予約を取りました。

 

大手町ローンプラザ、そこはビルの薄暗い一角に、かなり狭いスペースで存在していました。

あまり利用してる人はいないのでしょうか?

対応してくださったのはSBIの行員ではなく、グッドモーゲージという代理店会社の方でした。

 

まず三井住友銀行で計算してもらった想定年収と借入希望額を伝えると、その場で返済比率を計算し、この比率なら大丈夫そう、ということでローン審査に進むことになりました。

年内にローン実行できるスケジュールを希望している旨を伝えると、いきなり本審査に進みましょうということになりました。

事前審査って省略できるんですね。

もう何度目かのローン申し込みで、すらすら書き進め、その場は終了しました。

売買契約書や物件情報など追加で提出しなければならなかった資料はSRE不動産の方から送っていただきました。

 

数日後、グッドモーゲージの担当者から電話が来ました。

どうやら給与明細から計算した私たちの年収が申告した額より低かったらしく、返済比率が基準を満たせず審査を進められないそうです。

SBIの場合は今あるすべての給与明細の額を合計し、それを月数で割って12倍して年収とする計算方式だそうです。

私の会社では試用期間は残業できないため始めの4ヶ月は給料が低く、それを算入したSBI式の計算上の年収は低く出てしまうようでした。

直近3ヶ月分を4倍する三井住友銀行よりも100万も低くなってしまいました笑

ただ、先方から提案された回避策があり、妻と私で年収比率に合わせて借入額に傾斜をつけることで返済比率の条件がギリギリクリアできるそうで、その通りに進めてもらいました。

 

さすがに返済比率基準ギリギリだとローンは通らないだろうなと思い、三井住友銀行の店舗で決済当日の予定を立てていました。

しかしなんとSBIの本審査申請から2週間後、ローンが通った報告が来ました。

めでたしめでたし。

SBIの司法書士が決済前に自宅を訪問してくるなどのイベントがありましたが、ローンの長い戦いはここで終わり、無事、世の中的にも低金利の部類に入るSBIでローンを組むことができました。

 

 

まとめ

 

以上、住宅ローンで低金利を獲得するための奮闘記でした。

ここまで14回にわたって購入記を連載してきましたが、一番書きたかった内容は前回と今回の住宅ローン編です。

源泉徴収票が1枚も用意できない新卒が、そもそもどこの銀行ならローンを通せるのか何もわからない状態で、4行撃沈しながら、最終的にSBIにめぐり合うと言うお話です。

「新卒 住宅ローン」でググっても抽象的な記事しかヒットせず途方に暮れていましたが、この体験記をネットの海に残しておくことで、同じような体験をこれからするかもしれない方の助けになればなと思っています。

ただし、ここに書いてある情報は2021年当時のものであることはご留意ください。

 

 

おまけ

 

写真はパークシティ武蔵小杉ガーデンを背景にした桜。

目黒川ほどではないにせよ、武蔵小杉の二ケ領用水沿いも桜が綺麗です。

 

それでは次回、「15. ローン決済と引き渡し、住んでみて」へ...